言語でものを考えることができるのは、人間の特徴です。人間以外の生物も、ものを考えることがありますが、それは言語を通してではなくもっと感覚的な方法で行われています。
言語で考えることができるというのが、人間の創造力の源泉です。したがって、創造的に生きるためには、幅広い豊かな言語とものごとを深くとらえることのできる言語を持っている必要があります。想像力を三角形の面積のようなものと考えると、言語の幅の広さが底辺で、とらえかたの深さが三角形の高さです。
この幅の広さを身につけるものが多読で、とらえ方の深さを身につけるものが精読といえるかもしれません。精読とは、一つのものをゆっくり読むことではなく、同じものを何度もくりかえし読むことです。ですから、精読というよりも復読と言った方がいいかもしれません。
しかし、現代の社会では、多読に比べて精読(復読)はあまり重要視されていません。私はこの精読を長文音読という形で子供たちの学習の中に取り入れていければ、ある程度の効果が得られると思っています。アルゴの国語指導はそんな考え方が基本です。