先日、ある保護者の方から聞いたお話。
…「ねえ、知ってる?」「知ってる?ママ。」と開口一番にこれを言って帰ってくると、うれしくなるとのこと。
「きたきた。習ってきた知識を披露したがっているだ。」「今日は楽しい学びが出来たんだな。」と。
続きます。「しめすへんって神様に関係ある漢字が多いんだよ。『神社』でしょ、『祈る』とか、『礼拝』とか!ねえ、知ってた?ママ。」「う~ん、知らない。」
「この掛け合いは、娘と私のほんとに楽しいひとときです。」
何とも微笑ましい、生活の中に学びが根付いたご家庭が目に浮かびます。
こんなときにお薦めしたい本の1冊が『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(白川静監修、小山鉄郎編)。
亡くなられた漢字学の大家、白川静さんの漢字についてのお話が、小学生にも理解しやすいように書かれています。
話題になったしめすへんについては、「『示』をめぐる漢字」という項目があります。
「『示』も「ネ(示)』(しめすへん)などの漢字でたくさん使われる字形です。この『示』は、神を祭るときのテーブルの形なのです。」
「もともと」を知ることはとても楽しいことです。前述の「しめすへんは神事のためのテーブルだ」と分かれば、「祭」「際」「祝」「祖」も同じグループだと納得できますね。
でもさらに楽しいのが、人に得た知識を教えて「そうなんだ。」と言ってもらうことではないでしょうか。
何かが分かったとき、人は感動を覚えます。この気持ちを他の人と共有できるとさらに幸せになり、この気持ちはいつまでも忘れることがありません。
そして、学習のエネルギーへと転化していきます。
子供たちは、「ねえ、知ってる?」の時間と「なんで?」の時間の中で成長します。
みなさんのお子さんは今、どんな時間の中ににあるのでしょう。
「なぜ?」の時間ですか?それとも「ねえ、知ってる?」の時間ですか?それとも、「ねえ、知ってる?でも、なんで?」の時間ですか?
大人は答えられないと結構悔しいものですが、そうやってお子さんに負けることはちょっと楽しくもあるものです。
わが子の成長を実感するこの面映ゆくもうれしさに満たされた気持ち。大人同士だとこうはいきません。
ほらまた、あなたのお宅ならではの「ねえ、これ知ってる?」が始まりました。喜んで負けてあげましょうね。(笑)
アルゴ・システムズ
代表 村元謙二(文責)
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