ここのところ、何人かの保護者の方から、「もっと厳しい指導をしてほしい」というご要望をいただきました。
それは、当方の指導に対してそれだけ期待されているということなのだと勝手に思っています。
しかし、私は、子供の教育における指導者や保護者つまり大人の役割を原則的にはあまり大きくしない方がよいのでは、と考えています。
それは、次のような理由からです。
学習するのは、子どもたちです。学習という行為を山にたとえれば、子どもたちはひとりで山を登っていきます。
指導者や保護者が先導して引っ張って登らせるのではありません。
大人は、その山の先がどのようになっているか、おおまかな予測がつきます。
場合によっては、その山を先回りして危ない場所がないかどうか確かめることもあります。
しかし、山を登るのは子どもたち自身です。
指導者や保護者は、後ろの方にいて、子どもたちにときどき声をかけてあげます。
その声かけのほとんどは、明るく単純な励ましと賞賛です。
そして、ごくたまに、子どもたちが危ない場所に迷い込みそうになったときに、大声で注意をします。
また、子どもたちが失敗して落ち込んでいるときは、近くによってじっくり話をしてあげます。
教育における大人の子どもたちに対する関わり方は、そのようなものではないかと思います。
子どもたちが学習しているときには、ときどき声をかけます。
それは「おっ、エエヤン」とか「できてるか」などという単純な声かけです。
学習以外でも、言葉掛けを大切にします。「元気そうヤン」とか「あいさつの声が小さいデ」などというものです。
言葉に出さないときでも、常にそういう目で子供を見るようにしています。そうすると、雰囲気が自然に明るくなってきます。
たまにルールに反したことをやった子については、叱ることもあります。
しかし、暗い叱り方はせずに明るく強く叱ります。すぐに切り換えるので尾を引きません(と、一応自分では思っています)。
ここが、一般に期待されている講師像と違うところかもしれません。
講師が先導して子どもたちを引っ張って山を登っていくような指導ではありません。
講師は後ろからついていって、重要なポイントごとにしっかりアドバイスをすること、それが私の望む学習環境です。
アルゴ・システムズ
代表 村元謙二(文責)
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