コロナ禍でも医学部系の志願者数は減少せず、ワクチン開発などへの期待からか、薬学部では志願者をかなり増やした大学もあります。不況への不安がのぞくなか、専門職の強みに加え、若い世代の間で社会貢献の意識が高まっていることも背景にあるのではないかと、分析されるところです。
相変わらずの狭き門・医学部をめざす中高生は、何に取り組んでおけばいいのでしょうか。現状、分析できる多少総論的なことを書き記したいと思います。
医学部、特に国公立の志願者数は近年横ばいか減少傾向にありますが、大学入学共通テストで高得点層も減少したためか、最終的な出願数はほぼ横ばいとなっています。コロナ禍で受験生が受験校数を絞り込み、私立は志願者を減らす大学もあるが、のべ志願者が減っただけのように見受けられる。
また、入試改革に伴って21年度の入試問題はかなり変わりました。自治医科大は2次試験に記述式の学力検査を追加し、国公立の前期試験をみても、記述量の増加や思考力や判断力などを今まで以上に要求する出題が目立ちます。
量をこなして知識を詰め込めば合格できる時代ではなくなってきているようです。中学から、丸暗記ではなく、なぜそうなるのかについて理解を伴う学習法、まさに真の探求学習が求められています。
高2の終わりまでに、英語・数学・理科の高3までの履修範囲の基礎固めは終え、志望校を決めて、その大学の過去問に取り組ましょう。医学部は大学によって出題内容がかなり異なるので、高3の1年間は、志望校にあった応用問題にあたることが理想となります。
また、面接も、面接担当者を次々と変えて行う複数回の個人面接や集団討論2回と個人面接など、深く掘り下げる大学が増えています。高校の調査書を合否に活用する大学もあり、生徒会、ボランティアなどの活動実績も受験校によっては大切となります。
成績が良くても医師としての適性のない生徒は不合格になり、合格できても中退する例もあります。本当に自分は医師になってヒトを救いたいのか、突き詰めることが求められています。「どうやって医師になるか」よりも「どうして医師になるか」を、さらに深く問われる時代が来ています。
中学受験を考える学習塾『アルゴ・システムズ』
代表 村元 謙二(文責)
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