新型コロナウィルスの蔓延により、世界はカオスの様相を呈しています。
しかし、いずれは収束し新しい秩序の芽が生まれるでしょう。
混沌とした今だからこそ明日を考える必要があると思います。
世界の歴史は、大きな目で見れば統合の方向へ向かっています。
望むと望まざるにかかわらず、やがて地球は一つの統一した政府によって運営されるようになるでしょう。
しかし、この統一のビジョンは、人によって文化によって異なります。
大きく分ければ、それは、ヨーロッパ的な統合のビジョンと、日本的な統合のビジョンとに分かれるように思われます。
ヨーロッパ的な統合のビジョンの根底にあるのは、自由な個人主義あるいはエゴイズムを前提とした社会観です。
その究極の姿として、支配するものとされるものが、階層状に分かれたカースト制度的なものが想定されているように思えます。
それに対して、日本の統合のビジョンは、個人主義ではなく家族主義を前提とした社会観で、人類が一つの家族として多様性を保持したまま共存していくような世界を目指していると思います。
まさに、新型コロナウィルスに対する対策にその形は見えています。
かたや懲罰も辞さないロックアウト。
かたや緩やかな個人の意志に基づく非常事態宣言。
欧米のエゴイズムをもとにした文化は、科学技術を大きく発展させました。
しかし、その発達の前提となっていた個人主義が、現在、行き詰まりを見せ
ていることも事実です。
これからは、今ある科学技術の土台を生かした新しい文化として、日本の思
想や文化、社会制度、政治制度が見直されるときがくると思います。
現在の世界では、軍事力が伴わなければ発言力がないと考えている人もいます。
しかし、今の科学のもとでは、軍事力は次第に意味を持たなくなりつつあります。
核を持てば相手を支配できるという時代は、他国が核を持っていなかった時
代の話です。
これからの社会では、核兵器を含めた軍事力の有無は、他国を支配する手段にはなりえません。
これからの時代は、核兵器に代わる新しい自己抑止の力が求められます。
〈続く〉
アルゴ・システムズ 代表 村元 謙二(文責) 京都市中京区柳水町71-1-103 TEL.075-221-5101