以前ですが、7坪の土地に家を建てるという番組を見ました。東京都内の7坪の土地です。敷地は約15坪なのですが、建ぺい率の関係で半分の7坪の土地でなければ建てられないとのこと。7坪というと、ワゴン車が一台駐車できるくらいの土地です。どうやって家を建てるのか、つい見入ってしまいました。
この土地は、三方を家で囲まれていて、高さ10メートルという制限付きです。選ばれたのは、50歳の一級建築士の方でした。結果、彼は見事な家を建てました。地下室を作り、ちょっとしたルーフバルコニー的なベランダや隠れ家のような部屋もあり、自然光を取り入れた明るい家には7部屋もあります。
すばらしい!50歳といえば、ベテランです。彼もきっとここに至るまで様々な経験をしてきたことでしょう。。もちろん、多くの失敗もあったことでしょう。しかし、それらの経験が彼に力を与え、彼を育てたのは間違いありません。経験に基づく柔軟な発想が働いているのだと感じました。
経験と柔軟な発想。これは、生徒の皆さんが取り組んでいる受験学習にも共通することです。彼も、建築士になる前には大学で基礎となる取り組みをしてきたはずです。その基礎に様々な経験が加わり、今に至っています。
生徒の皆さんは、毎日いろいろなことを学習します。暗記であったり、定理の確認であったり、その項目が少し変わったり式が複雑になったりします。これが学習の基礎です。そして、いろいろな問題を経験し、失敗を繰り返しやり直す中で、頭が柔らかくなっていきます。
「経験は、最良の教師」という言葉があります。良い経験だけが経験ではありません。辛いことも悲しいことも失敗した苦い思いすらも全てが経験であり、どのように受け止め、乗り越えていくかによって柔軟な発想が育まれ、滋味豊かな人となっていきます。したがって、今、生徒の皆さんが「しんどいなあ」と思っているいろいろな取組こそが、実は、明日の自分を作り出す働きかけにほかならないのです。