受験というものは定員があるために、実力があっても不合格になる子が発生します。
不合格は、誰でもうれしいものではありません。
ただの点数が低かっただけなのに、まるで自分の人格が否定されたような感覚になるお子様もいます。
しかし、そこで、すぐに立ち直るお子様がいることも事実です。
しかも、これまで以上により元気になって立ち直っていきます。
どのようにしたら、そういうことができるのでしょう。
それは次のように考えることができます。
「僕が(私が)せっかくがんばってテストを受けたのに、その自分の実力を見られないない学校なんかこちらからお断り。」
「あと何年かしたら、この学校に受からなくてよかったと言えるように、これからやっていこう」・・・等々。
もちろん、こういうことが言えるためには、受験勉強に真剣に取り組んだということが前提になります。
がんばったからこそ、不合格になったことに納得がいかず、そこから、自分で逆転する発想を生まれてくるのです。
そういうお子様は、必ずその意識のもとに自分を律し学習に取り組み成長していきます。
だから、何年かのち、その学校に合格しなくてよかった、と本当に言えるようになるのです。
受験というものは、合格を目標にしてがんばるからこそ、その過程と意識が重要となり、不合格になっても無駄にはなりません。
精神的に自立し強いお子様にとっては、かえって不合格になった方が大きな実りのあるものになるともいえます。
もちろん、合格で自信と力のつくお子様もいることは確かです。
たぶん、合格によって更にがんばろうという気持ちが作用するのでしょう。
新しい学校の友人関係も学習課題も自然に前向き取り組み、そんな子どもたちどうしでネットワークを作っていきます。
そして、この友達との関係の中で、更に力がついていくのです。
いずれの場合も、もとになっているものは、本人の意識です。
本人の気持ちさえしっかりしていれば、それぞれの道がそれぞれによい結果だということになります。
ここに、常々私がお話しする、中学受験が全てだけれど、全てではない、ということの難しさがあり、面白さがあります。