学習においては、問題集でも、参考書でも、これぞと決めた1冊を徹底して自分のものにするという勉強法が最も能率のよい方法です。
ところが、多くの人は、これとは反対の学習の仕方をしてしまいます。
それは、例えば、学校で宿題があったり、テストがあったりすると、その宿題やテストに合わせた学習をするからです。
テストで間違えた問題やわからなかった問題があると、その問題を解けるようにしてしまいがちです。
できなかった問題ができるようにするのはいいのですが、自分のペースで行う学習は後回しにして、その宿題やテストに全力で取り組むことになります。
しかし、これではなかなか実力がつきません。
では、どうしたらいいのでしょうか。
その対策は、宿題やテストで出た問題を、自分が普段やっている問題集や参考書の中に位置づけることです。
つまり、同じ問題や似た問題がある箇所を、自分が普段学習している問題集や参考書の中から見つけます。
そして、宿題やテストができるようにするよりも、自分のやっている問題集の中の問題をできるようにしておきます。
このようにすると、ほとんどの問題は、自分の持っている問題集や参考書と関連づけられていきます。
そして、その1冊の問題集や参考書を徹底して自分のものにする学習法が正しい方法だと確信することになります。
では、自分の持っている問題集や参考書に似た問題や該当する説明がない場合はどうしたらよいのでしょう。
それは、できなくてもよかった問題だとみなすのです。
学校や塾の先生の中には、生徒にちょっと難しい問題を出して、生徒ができなかったり苦労したりするのを、生徒に考えさせる学習だと思っている人がいます。
特に、算数・数学の問題は、そういうパズル的な難問を出しやすく、そのため、逆に算数・数学が苦手になる子が多いのです。
本当は、生徒全員を同じようにできるようにさせるのが学校学習のはずです。
そして、それは十分に可能なことなのです。
しかし、そういう学習は教える側としてはあまり面白くありません。
だから、難問奇問の出題が後を絶ちません。
したがって、生徒の側は、無理にそういう難しい問題に合わせて学習する必要はなく、まず自分が決めた1冊の問題集又は参考書を徹底して身につけることを優先すべきなのです。
1冊が完璧に自分のものになれば、そういう難しい問題についても自然に対応できる力がついてくるはずです。
つまり、究極それが、私自身が定期テスト対策の授業をあまり望まない大きな理由かもしれません。