アルゴの中学受験日記

中学受験を通じて成績と連動する真の努力の形を伝えます

今思うこと

学習への保護者の方の関わり方

学習への保護者の方の関わり方

8月の間、夏期講習のためお休みしていましたが、短い夏も終わり学校も始まりました、また再開したいと思います。

 

今の子供たちの学習の様子を見ていると、二つの大きな問題があるように思います。

 

第一は、小学校低学年のころの学習に、保護者の方が関わりすぎることです。

 

この時期は、できるだけお子様が自分で学習に取り組むようにすることが大事だと思うのですが、お父様やお母様が手をかけすぎてしまうことが多いのです。

 

もちろん、親子の対話を楽しむという意味で親が子に関わることはいいことなのですが、それは主に遊びや読書の分野でのことです。

 

学習の領域で、保護者の方が手をかけすぎると、保護者の方がいなければ学習のできない子になってしまいます。

 

保護者の方は、学習面で手を出したくなってもできるだけ我慢し、お子様が自分でやるように工夫していく必要があります。

 

しかし、小学校低学年の手のかけすぎは、それほど大きい問題ではありません。

 

第二の、もっと大きな問題は、お子様の学年が上がり、小学校高学年になり、中学生になってくると、保護者の方がお子様の学習を見ることをあきらめ、本人に任せてしまうようになることです。

 

中学生になると、学習も難しくなるので、保護者の方も小さいころほど簡単には教えることができなくなります。

 

また本人も、多感な時期を迎え保護者の方にあまり助けを求めるようなことはしなくなります。

 

ここで、ほとんどの中学生が自己流の能率の悪い学習法になっていきます。

 

その結果、小学生のころまではよくできていたお子様が、中学生になるとだんだんと思ったように点数が取れなくなり、苦手分野なども出てくるようになります。

 

すると、お子様本人も、保護者の方も、その解決策として学習塾…一般的には集団塾…を選択するようになることが多いのです。

 

学習塾の先生は、みんな熱心に子供たちのことを考えて指導しますから、お子様がひとりで学習するよりは、確かに成績面ではプラスになります。

 

しかし、学習塾はもともとは大勢の生徒を一斉に教える仕組みになっていますから、全生徒に最大公約数的な宿題を出すような学習の仕方をします。

 

すると、学習塾に合わせた学習は、お子様単独で考えると無駄な部分もかなりある学習になることもあります。

 

つまり、学習塾に行って成績の上がる生徒は、宿題を真面目にやる子、つまり無駄な学習も我慢して長時間やれる子ということになります。

 

すると、成績は確かに上がるかもしれませんが、余裕のある時間の中で読書をしたり趣味を深めたりということがどうしてもできなくなるので、ただ勉強するだけの面白味のない生活を送ることが多くなるのです。

 

その解決策として、今は個別指導塾のニーズが高まっています。

 

個人指導であれば、たしかに本人に過度の負担を強いることはありません。

 

しかし、おかしなもので過度の負担がかからないということは、つまり、お子様のペース次第となりかねず、成績がなかなか上がらないというジレンマを抱えることになります。

 

また、同じ個別指導の範疇に家庭教師という選択肢がありますが、生徒個人の学力に応じた具体的な勉強計画を指示できる家庭教師というのは、あまりいません。

 

いたとしても、どの家庭でも頼めるようなお手軽なものでもありません。

 

そこで、中学生にとっていちばんいい学習法は、本人の家庭での自学自習を保護者の方が見るという形になります。

 

しかし、保護者の方が見るといっても、手取り足取り教えるというのではありません。

 

中学生の学習は、基本的に他人が教える必要はありません。

 

私達の子供時代と違い、解説の詳しい参考書や問題集が豊富にあり、ほとんどが自分で学習することができます。

 

学習というものを、戦闘、戦術、戦略と分ければ、保護者の方が見るのは主に戦略面です。

 

中学生本人は、戦闘や戦術ぐらいまではできますが、学習の大きな方針というのはまだ無理だからです。

 

そして、たまに、学習内容について質問があったとしたら、それは学習のできる大人(先生や講師)に聞くように方向を示せばいいのです。

 

今は、何らかの学習塾塾に通っている中学生がほとんどなので、学習塾に行っていないと不安になるという心理はあると思います。

 

だから、学習塾に行ってもいいのですが、学習塾に学習状態の百パーセント任すようでは、時間がかかるだけで、実力はあまりつきません。

 

中学校でほんとうの意味で成績のいい生徒は、必ず保護者の方がお子様の学習に何らかの形でかかかわっておられるようです。

 

もし、関わっていく時間の余裕がないとしたら、せめて見守るという意識は常にお持ちいただきたいものです。

 

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