①読む力
作文を書く力は、読む力に比例しています。文章を読むのが得意な子は、自分の書く作文にも自然にふだん読んでいる文章を生かすことができます。
反対に、読む量の少ない子は、作文を書く練習だけ続けてもなかなか文章力は上達しません。
作文力をつけるためには、遠回りのようですが、まず読む力をつけることが大切です。しかし、ただ単に文章を読むだけでは、それを作文に生かすことはできません。
入試の課題として出される作文の多くは、説明文や意見文です。したがって、読む文章も説明文意見文を中心にしていく必要があります。
説明文や意見文の多い文章は、教科書、小学生新聞、国語の問題集などです。毎日時間を決めて、それらの文章を読む練習をしていきましょう。
②書き慣れる
小学校高学年の生徒は、学校でも作文を書く機会が減ってきます。そのため、指定の時間に必要な字数までを書き上げられない子もかなりいます。
早く長く書くためのコツは、一つには書きながらたびたび読み返さないことです。読み返すのは、作文を全部書き終わってからです。
書いている最中に読み返す子は、すぐに消しゴムを使って直したがります。消しゴムを使って書き直すと、文章を書くスピードが極端に落ちます。
書いてすぐ直すような書き方ではなく、直す必要のない文章を最初から書いていく習慣をつけることです。
文章を書く練習は、ほかの学習よりもはるかに負担の大きいものです。周囲の人が協力して、定期的に文章を書く時間を確保してあげる必要があります。
③家族での会話
学校での作文には、家庭の文化が反映します。ふだんから、家族でいろいろな会話をしている家庭では、作文にもその雰囲気が出てきます。
子供の生活経験はまだ幅が狭いので、父親や母親が、その経験を広げてあげる必要があります。
例えば、「小学校時代に印象に残ったこと」というテーマで書く場合、子供は単純に、印象に残ったことを書きます。
このときに、父親なり母親なりが自分自身の経験をもとにして、小学校時代の経験がその後の人生にどうつながったかを話してあげると、子供の視野は広がります。
小学生で読みごたえのある文章を書ける生徒は、例外なく家庭での会話が充実しています。
毎日の夕食の時間に話をする時間を取るのが難しければ、土曜日や日曜日の夕食の時間に、ニュースなどを話題にして話をする習慣をつけていきましょう。
その際に大事なことは、子供の意見を聞いてあげることではありません。親が自分の考えをどんどん話してあげることです。
やがて、子供も自分なりに自分の考えを話すようになってきます。