アルゴの中学受験日記

中学受験を通じて成績と連動する真の努力の形を伝えます

作文教室

作文指導上の4つの問題点

作文指導上の4つの問題点

低学年の生徒が書いた作文を見ると、いろいろ直せそうなところがたくさんあります。

そこで、大人(保護者や講師)が直してあげると、すぐにうまくなります。

しかし、直して上手にする方法は、一見成果が上がるように見えますが、いくつかの問題があります。

第一は、直して上手にできるようなところは、年齢が上がれば自然に直るようになるものがほとんどだということです。

例えば、「わ」と「は」の区別などは、小学校中学年になればどの子も自然に正しく書けるようになります。

それは、文章を読む量が増えるにつれて、自然に身につくものだからです。

もちろん、低学年のうちに正しい書き方を教えること自体には何も問題はありません。

問題なのは、それを事々しく何十分もかけて教えることです。

第二は、直す指導を受けると、子どもたちは最初素直に聞いていますが、次第に憂鬱になってきます。

せっかく自分が一生懸命書いた作文の中身のいいところにはほとんど触れずに、間違えたところだけを直されていては楽しいはずはありません。

子どもたちは作文を通して、自分の心を表現しています。子どもたちが見てほしいのは、作文の中身の方であって、表現の仕方ではありません。

第三は、直す指導をしていると、教える側の怒る回数が増えるということです。

直されるようなところは、その子が間違って身につけたところですから、一度の注意ですぐに直るわけではありません。

しかし、大人はつい、理屈で説明すれば、次からはすぐにできるはずだと思ってしまいがちです。

そのために、同じことを二度も三度も注意しているうちに、つい大人のイライラした感情が出てしまいます。

第四は、直す指導を続けていると、すぐに教えることがなくなるので、やがて注意しなくてもいい細かいことまで注意するようになります。

しかし、直す指導で始めた場合、ただ書かせてほめるだけという指導にはなかなか切り換えられません。

小学校高学年から作文指導が少なくなる理由の一つがここにあります。

こう考えていくと、いかに作文指導を適切に行おうとすれば、大変なことかがわかります。

しかし、これらの問題点を意識し対応していかなければ、ほんとうにその子が書きたい思いのこもった文章にはなりません。

今日もまた、適切に的確に子どもたちの文章に向かい合いたいと思います。

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